インドネシア

インドネシア人の自然災害への準備

アンケート期間:2018年11月29日 – 2019年5月29日
アンケート回答者:インドネシア在住 500人
リコリス(Licorice)による調査

インドネシアは自然災害が発生しやすい国なので、インドネシア人は周囲で自然災害が発生した場合に備えて防災用品、連絡手段、避難ツールなどを準備しなければなりません。

インドネシア列島は常に地震、火山噴火、洪水、津波の危険にさらされています。環太平洋火山帯に位置するこの国では、毎年少なくとも1回の大規模な火山噴火と1回の大地震があります。大津波は5年に1回発生する可能性があります。インドネシアでは、2004年の津波以降、地震、津波、火山噴火、気候変動に起因する災害など、平均して少なくとも1つの大きな自然災害が毎月発生しています。

インドネシアは1年間に複数の災害を経験することもあるため、自然災害への備えは必須になっています。以前も自然災害に関する調査をしましたが、今回は、インドネシア人が用意する防災用品にフォーカスして調査します。それは非常用の飲料水や食べ物でしょうか?または、通信機器でしょうか?調べてみましょう。

 

Q.あなたは防災に対する意識をどの程度お持ちですか?(SA)

インドネシア人の防災に対する意識は非常に高いと言えます。回答者の過半数、64.4%が「かなり強く意識している」と回答しています。次に、29.8%が「まあまあ意識している」と回答しています。「あまり意識してない」と回答した回答者は5%のみです。

この結果から、ほとんどのインドネシア人が自然災害についての意識を持っていることが分かります。彼らは自然災害が周囲を脅かすことを常に懸念しています。

 

Q.あなたにとって身近だと感じる災害をチェックしてください。(MA)

前回の調査と同様に、回答者の39.14%が「大雨」が最も身近に感じる災害と選択しています。続いて、36.79%が「洪水」、約26%が「地震・津波」、20.74%が「火災」と選択しています。

この結果から、ほとんどのインドネシア人は、雨に関連した自然災害が最も起こる可能性の高い災害であると考えているようです。

 

Q.あなたは防災用品を準備していますか?(SA)

回答者の過半数、67.8%が防災用品を「準備している」と回答しています。この国で発生する自然災害の危険が非常に高いことを考えると、準備している方が多いのは当然と言えるでしょう。

 

Q7.あなたが準備している防災用品をチェックしてください。(MA)

自然災害に準備している防災用品についての質問から、インドネシアの家族は以下の3つの主要な防災用品を準備していることがわかります。

1.懐中電灯・ライト

最も多くのインドネシア人が準備している防災用品は「懐中電灯・ライト」で、36.01%の割合です。インドネシアで発生する自然災害のほとんどは、停電を引き起こすため、懐中電灯は必需品です。停電中の夜間では、懐中電灯は、援助を要求したり、行方不明の犠牲者を見つけるのに重宝します。また、懐中電灯はすべての家庭で購入できる最もシンプルな災害用品です。

2. 食べ物と飲料水

次に多かったのは、非常用の食べ物や飲料水を準備している人です。35.03%が「非常用の飲料水」と選択、32.88%が「非常用の食べ物」と選択しています。インドネシアでは政府の対応の悪さに起因して、被災地に救援隊が到達できないことがあり、しばしば被災者への援助の提供が遅れます。この状態から、各家庭では防災用品の中に飲料や食料を備蓄することが推奨されています。

3. 防寒具

ご存知のように、洪水などの雨に関連する災害は、インドネシア人が最も懸念する災害です。洪水下では、体を暖かく保つための乾いた服を見つけるのは難しいです。そのため、多くのインドネシア人が毛布やその他の防寒具も用意しています。

残念ながら、30.53%が「防災用品は準備していない」と回答しています。

 

Q.あなたは自分が住んでいる地域の避難場所や避難経路の確認をしていますか?(SA)

59%の回答者が地域の避難場所や避難経路を「確認している」と回答しています。この数は非常に多いですが、災害が発生しやすい国としてははまだ十分ではありません。

35.2%が「確認していない」と回答しています。「避難場所・避難経路がわからない」と答えた回答者も5.8%います。

多くのインドネシア人は避難所や避難場所を確認していますが、インドネシア人の3分の1はまだ避難所や避難場所を確認していません。

 

Q.あなたは災害が発生した時に備えて家族と連絡する方法を共有していますか?(SA)

災害が発生した場合、コミュニケーションは非常に重要です。少なくとも、どのような自然災害が発生し、どのような支援が必要かを知らせるために、何らかの無線通信が必要です。

この調査によると、67.8%が家族と災害時に連絡する方法を共有しています。一方、してないと答えた人は20.8%です。

 

結論

インドネシア人は自然災害について比較的高い意識を持っています。彼らは、雨関連の自然災害が起こり得る可能性が最も高い災害であると考えている一方、地震や津波などの他の災害も意識しています。

彼らは自然災害のためにいくつかの防災用品を準備しています。最も多くの人が準備している防災用品は懐中電灯・ライト、食べ物と飲料水、防寒具です。多くのインドネシア人が自分が住んでいる地域の避難場所や避難経路の確認をしており、また、家族と連絡する方法を共有しています。

しかし一方で、自然災害への備えが不十分なインドネシア人はまだたくさんいます。自然災害が発生したときの対応手順が明確になるよう、防災用品の準備を含め、こういった方々にテレビ、インターネット、ソーシャルメディアなどを通じて指導をする必要があります これにより、犠牲者の数も最小限に抑えることができます。

最後までお読みいただきありがとうございます。この記事の元になった調査の詳細レポートをこちらからご購入いただけます。

【主な内容】

  • インドネシアの家族には何人の子供がいる
  • インドネシア人の防災に対する意識をどの程度
  • インドネシア人にとって身近だと感じる災害
  • インドネシア人の住んでいる地域の避難場所や避難経路の確認
  • インドネシア人のコミュニケーション用具の準備
  • インドネシア人の防災用品の準備
  • インドネシア人が最も準備した防災用品
  • インドネシアの主な情報源自然災害
  • 結論

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